昭和大学医学部内科学講座 脳神経内科学部門 昭和大学医学部内科学講座脳神経内科学部門 Department of Neurology Showa University School of Medicine

研修医・学生の皆様へ

神経学へのいざない

 1990年代、私が学部学生であった頃、「21世紀は脳の時代」という言葉をよく耳にしました。人体のフロンティアである脳の構造や機能の解明が21世紀に大きく進むことが期待されていました。さらに脳や神経の疾患の病態の解明も期待されていました。その後20余年を経て、実際に脳科学や神経学は著しく進歩を続けています。一旦発症すると積極的な治療介入が困難で生活に大きな影響を与えていた多くの神経疾患の患者さんが希望を持てるようになりました。例えば、近年の脳梗塞の超急性期治療、神経免疫疾患に対する疾患修飾療法の発達には著しいものがあります。また、高齢社会を迎え、認知症や神経変性疾患の患者さんも増加の一途をたどっていますが、神経細胞が変性する病態に介入する根本的な治療法も近い将来に現実のものになろうとしています。現在、研修医・学生の皆さんがチーフとして活躍するになる頃には数々の夢のような治療法が行われていることでしょう。このように脳神経内科医の活躍の場が拡大を続けている中で神経学の進歩を患者さんや社会に還元するとともに、研究活動や教育活動を通して学びを共感できる仲間が増えることを私たちは大いに歓迎しています。

 当科には東京都城南地区の基幹病院として脳神経内科領域の幅広い疾患の患者さんが受診されます。そのため、領域が偏ることなく十分な症例を経験できます。また、当科では旗の台キャンパスにある昭和大学病院・附属東病院のほか、藤が丘病院、横浜市北部病院、江東豊洲病院の各昭和大学附属病院、都内や近県の関連病院とも連携して卒前・卒後の教育を行いますが、当科の入局者全員が日本神経学会専門医試験に合格しています。さらに、皆さんの医師としての人生の中で重要な意味をもつ大学院への進学、サブスペシャリティーの専門医の取得、研究テーマ、働き方、などについても希望を伺い脳神経内科医としての成熟を支援しています。見学・相談は随時受け付けています。どうぞ、気軽に声をかけてください。

昭和大学医学部 内科学講座 脳神経内科学部門
村上 秀友

研修医・学生へのメッセージ

指導医からのメッセージ

矢野 怜診療科長補佐

医学生、臨床研修医のみなさん
これからみなさんは、臨床研修医や専門を決め入局し、医師としてのスタートを切ります。そして何より、みなさんが将来の医療を担うことになります。この一歩目は、その後のみなさんにとって大変大きな一歩になる事と思います。しっかりとした知識、診察能力、判断力、チーム力を高めて、より『よい医師』になるように支援と指導を行うことを、医局員一同、常に心がけています。

一方で、医師から見た『よい医師』と患者さんから見た『よい医師』が違うことがあります。患者さんは、能力が高いだけでは『よい医師』と感じないことがあり、血の通った医療が必要です。『手当て』という言葉は『前もって準備しておくこと、事態に応じて処置すること』で、実際に手を当てることが語源ではないようです。しかし、臨床の場では、患者さんの痛むところに手を当てたり、手を握って話を親身に聞くだけで症状が改善することをしばしば経験します。その度に患者さんやそのご家族によりそった温かみのある医療が大切だと痛感します。そういった事は、技術や知識とは違い教えられることではなく、これからみなさんが先輩方の背中を見て感じていく事だと思います。そういったみなさんの背中を見て後輩が育ちます。入局をした頃の先輩の姿を思いかえすと、当院の脳神経内科の医局には、そうした土壌が脈々と続いているように思われます。 ぜひ、一度見学に来ていただき、一緒に考え、勉強し、議論してよりよい診療を目指せられれば幸いです。

矢野 怜 診療科長補佐

若手医師からのメッセージ

三木 綾子先生より

脳神経内科に対してどんなイメージを持っているでしょうか?おそらく、「よくわからない疾患が多い」「用語が耳慣れない」「テストが難しかった」など、とっつきにくい印象を持った方が多いのではないでしょうか。

脳神経内科が診療対象とする疾患は脳、脊髄、末梢神経、筋肉などほぼ全身に及びます。 当医局ではtPA適応となる超急性期脳血管障害から変性疾患まで、ほぼすべての領域の疾患を診ることができますので、これから脳神経内科を学ぶ先生には理想的な環境だと思います。さらに手技をやりたい先生にも様々な選択肢があり、当科では神経伝導検査、筋電図検査、エコー検査、神経生検や筋生検などは医局員の手でも行っています。

脳神経内科の疾患に難治性のものがあることは事実です。しかし、疾患修飾薬の開発は近年目覚ましく、多発性硬化症や視神経脊髄炎などの自己免疫性疾患、頭痛、先天性筋疾患などあらゆる分野で次々と新薬が承認されています。さらに、当科の代表的な疾患の一つである認知症などの変性疾患についても疾患修飾薬の開発が進められています。
これまで治せなかった病気に初めて治療薬が承認される、その瞬間の喜びを患者様と一緒に分かち合うことができるかもしれません。

脳神経内科の診療を行う中で、患者様に併存する一般内科疾患の管理や、脳髄膜炎などでICUに入院された場合は集中治療を行うこともあります。てんかんや頭痛などの患者様は比較的お若いことも多いので、例えば女性であれば妊娠・出産など、ライフステージに合わせた治療選択が必要になります。
これらの多様な背景をお持ちの患者様一人ひとりに合わせた医療を行うために、脳神経疾患の知識だけでなく、6年間の大学生活や2年間の初期研修で学んだ知識や技術を総動員しますので、これまでの修練がすべて活かせる科だと思います。
「自分は学生時代の成績が良くなかったから自信がない」と思う先生もいるかもしれませんが、当科は若手の先生への診療支援も充実しており、救急当番や当直などでは上級医が補助につきます。病棟も数人の担当班制を採用していますので、日々の臨床における疑問はすぐに周りの先生に相談したり一緒に調べながら、患者様にとって最善と思われる治療を選択していきます。

当医局は毎年数人の先生方が入局してくださっており、層が厚いので業務の分担もしやすく、仕事もプライベートもバランス良く充実させられる医局だと自負しています。
臨床研修先や入局先を迷っている先生方、ぜひ一度当医局を見学に来ていただけたら嬉しいです。病棟でお会いできるのを楽しみにしております。

三木 綾子先生

若手医師からのメッセージ

野勢 崇博先生・橋口 幸宜先生より

脳神経内科はパーキンソン病、ALS、認知症など慢性疾患の印象が強いかもしれませんが、実際には脳卒中、てんかん、脳炎・髄膜炎、ギランバレー症候群などの救急疾患もたくさんあります。私は、もともと急性期の診療にも携わりたいと考えており、急性期から慢性期まで専門性をもって幅広く診れる脳神経内科を専攻することにしました。また、検査設備があまり充実していない施設で診療していても、身体診察だけでおおよその診断のあたりをつけられるところが面白いと思い、脳神経内科を選びました。
昭和大学の脳神経内科は症例のバランスが良く、ちょうど良い忙しさなので、非常に働きやすい環境です。また、スタッフは全員びっくりするほど優しいので、私は外部から入局してまだ慣れていない状況にもかかわらず、とても生き生きと研修できています。
絶対に後悔しないと思うので、少しでも脳神経内科に興味がある研修医の先生がいれば、是非見学に来ていただけると嬉しいです!

野勢先生橋口先生

幅広い脳神経内科疾患を万遍なく経験することが可能であり、
それぞれの疾患について神経内科的診療手技を経験することができます

  • 神経心理学的検査

  • 末梢神経伝導検査・筋電図検査

  • 頸動脈エコー検査

  • 経食道心エコー検査

  • 血管造影検査

  • 終夜脳波検査

  • 教授回診

  • 病棟・医局長カンファレンス

毎週、教授回診や病棟医長カンファレンスにて他の医師との意見交換も積極的に行われています。
脳の切り出し(brain cutting) やCPCも定期的に行われ、神経病理学に造詣を深めることもできます。

また、医局員でイベントを開催し、より多くのコミュニケーションをとることもできます。

  • 野球大会(6月)

  • 納涼会(7月)

  • 医局説明会(6月・12月)

  • 忘年会(12月)

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